最高裁判所第三小法廷 昭和２５年（オ）２０５号 判決 1954年3月16日
大分県大分郡鶴崎町大字三佐
上告人
八坂秀人
外八四一名（別紙表示のとおり）
右八四二名訴訟代理人弁護士
小玉治行
大分市荷揚町
被上告人
大分県議会
右代表者議長
安部雅也
右当事者間の行政処分無効確認請求事件について、福岡高等裁判所が昭和二五年五月二二日言渡した判決に対し、上告人等から全部破棄を求める旨の上告申立があつた。よつて当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理由
上告代理人小玉治行の上告理由は末尾に添えた書面記載のとおりであり、これに対して当裁判所は次のように判断する。
上告理由第一点について。
論旨は本件県議会の議決が行政処分であつて、行政訴訟の対象となり得るものであることを主張するに帰する。しかし本件議決に関しては、昭和二三年法律一七九号附則二条五項において、「都道府県知事は、当該都道府県の議会の議決を経て、市町村の廃置分合又は境界変更を定め」る旨規定されている。すなわち本件議決は、県知事が行政処分を行う前提要件たるに過ぎないものであつて、それ自体県の意思として外部に対し表示されるのでもなく、従つてまた外部に対して直接法律上の効果を及ぼすものでもない。それ故本件議決は行政処分たる性質を有するものではなく、これを行政訴訟の対象とはなり得ないものであるとした原判決は正当である。
論旨は、地方自治法一六七条において、知事が県議会の違法な議決に対して出訴し得る旨を規定していることを援用して、県議会の議決が行政処分であるとの論拠としているのであるが、しかしこれは県議会の議決が行政処分だから出訴できるとしたのではなくて、違法な議決がそのまま執行されることを防ぐために、行政機関相互の間における法律的見解の相違を調整する方法として設けられた特別の規定に外ならない。従つてかような特別の規定のない本件議決に対しては、出訴は許されないものと解すべきである。論旨はまた東京高等裁判所の判例を援用して原判決を非難するのであるが、右の判例における地方議会の議決は、地方議会議員を除名する議決であつて、執行機関による行政処分を俟たず議決自体で除名の効力を生ずるものであるから、県知事の行政処分によつて始めて法律上の効果を生ずる本件の場合にあてはまらない。論旨はいずれの点から見ても理由がない。
同第二点について。
論旨は、原判決が本件議決を行政庁の処分と解するとしても、その取消を求める本訴は訴の利益を欠き不適法であるとした仮定論に対する非難である。しかし前述のごとく本件議決は、行政庁の処分と解することはできず、本訴は根本において許されないものであるから、論旨は採用できない。
同第三点について。
論旨は、原判決が被告に対して再議を命ずる判決を求めることは本来許さるべきでないと判示したことを非難する。しかし前述のように本件議決そのものが行政処分でなく訴訟の対象となり得ないものである以上、裁判所が県議会に対し再議を命ずることができないのは当然であるから、論旨は理由がない。
（本件については、昭和二五年（オ）二〇〇号、同二九年一月二一日第一小法廷判決参照）
よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見をもつて、主文のとおり判決する。
（裁判長裁判官 井上登 裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎）
（別紙）
上告人の表示
大分県大分郡鶴崎町大字三佐 上告人 八坂艶子
同所 同 八坂襄
同所 同 八坂セツ
同所 同 三浦喜要一
同所 同 三浦キチヱ
同所 同 三浦シヅ子
同所 同 三浦亀寿〓
同所 同 三浦朝子
同所 同 工藤進
同所 同 工藤スミヱ
同所 同 山村静馬
同所 同 橋本清四郎
同所 同 工藤武士
同所 同 工藤悌三
同所 同 工藤タカ
同所 同 山村益男
同所 同 佐藤フヂエ
同所 同 鏡アツ子
同所 同 秋吉あき子
同所 同 坂東ヨシ子
同所 同 工藤喜代馬
同所 同 工藤京子
同所 同 山村奈良男
同所 同 山村盛蔵
同所 同 工藤橘男
同所 同 坂東一作
同所 同 長野甲馬
同所 同 工藤イセノ
同所 同 工藤マキ
同所 同 工藤辰生
同所 同 長野亀治
同所 同 山村秀雄
同所 同 御手洗久子
同所 同 坂本政喜
同所 同 御手洗ヤヱ
同所 同 御手洗盛喜
同所 同 工藤イセ
同所 同 池永トヨ
同所 同 渡辺武重
同所 同 吉岡シズメ
同所 同 橋本サト
同所 同 幸代記
同所 同 御手洗モミ
同所 同 坂本吉男
同所 同 工藤音平
同所 同 幸〓三
同所 同 御手洗常夫
同所 同 御手洗マツヱ
同所 同 幸虎雄
同所 同 小場菊次
同所 同 小場チク
同所 同 御手洗一
同所 同 御手洗進
同所 同 御手洗弘
同所 同 幸久男
同所 同 幸勝喜
同所 同 吉岡茂三郎
同所 同 浜田茂
同所 同 木吉タズヱ
同所 同 佐藤多津子
同所 同 工藤文十郎
同所 同 菅儀太郎
同所 同 菅ハツヱ
同所 同 菅エン
同所 同 菅ハツヨ
同所 同 菅泰治
同所 同 木吉カズヱ
同所 同 木吉恒夫
同所 同 菅春子
同所 同 菅正子
同所 同 野上トク
同所 同 菅リキ
同所 同 木吉トミヱ
同所 同 木吉金太郎
同所 同 菅敏夫
同所 同 村瀬マサ子
同所 同 木吉千代子
同所 同 木吉二
同所 同 後藤イカ
同所 同 菅ヨシヱ
同所 同 菅レイ
同所 同 菅直記
同所 同 菅〓六
同所 同 菅キミヱ
同所 同 菅正義
同所 同 菅吉太郎
同所 同 菅喜代馬
同所 同 橋本敷蔵
同所 同 山村喜平
同所 同 菅辰左工門
同所 同 尾崎爵
同所 同 橋本トクヱ
同所 同 木吉豊馬
同所 同 橋本新
同所 同 御手洗了
同所 同 菅秀雄
同所 同 菅真直
同所 同 橋本清明
同所 同 池永ヒサヱ
同所 同 工藤フジヱ
同所 同 御手洗チヨ
同所 同 幸アサ子
同所 同 菅アサカ
同所 同 後藤庄市
同所 同 荒木善吉
同所 同 後藤サクヱ
同所 同 疋田左近
同所 同 疋田トヨ
同所 同 菅チズ
同所 同 菅幾太郎
同所 同 橋本百太郎
同所 同 中西キクヱ
同所 同 尾崎ナツヱ
同所 同 橋本忠雄
同所 同 橋本シズヱ
同所 同 菅ヨシコ
同所 同 橋本アリ
同所 同 橋本金助
同所 同 菅次子
同所 同 中西関太郎
同所 同 橋本末子
同所 同 宮崎久人
同所 同 菅熊当
同所 同 御手洗浮亀
同所 同 菅進
同所 同 御手洗要
同所 同 御手洗キミ子
同所 同 後藤二三
同所 同 後藤マスヱ
同所 同 森崎小四郎
同所 同 森崎操
同所 同 菅秀之助
同所 同 菅はん
同所 同 菅キクヨ
同所 同 菅武雄
同所 同 菅弘
同所 同 宮崎ナラヱ
同所 同 後藤シズ子
同所 同 菅フジヱ
同所 同 山村郡平
同所 同 工藤軍造
同所 同 船木敏夫
同所 同 船木花子
同所 同 船木トヨカ
同所 同 船木京平
同所 同 首藤スミ子
同所 同 山村清登
同所 同 工藤弘
同所 同 工藤竹雄
同所 同 山上泰助
同所 同 池本トクヱ
同所 同 山村ヤヱ
同所 同 工藤千代
同所 同 工藤昌子
同所 同 野仲浪助
同所 同 山村茂夫
同所 同 山村清
同所 同 池本政男
同所 同 工藤ツルヨ
同所 同 山村豊
同所 同 山上寅雄
同所 同 山上サカヱ
同所 同 山村マツヱ
同所 同 山村キミ子
同所 同 工藤ヨシヱ
同所 同 山村静枝
同所 同 山村ハヤ子
同所 同 山村久子
同所 同 山村ナミヱ
同所 同 池永好男
同所 同 野口ハルヱ
同所 同 山田茂
同所 同 山田タケ
同所 同 池辺〓馬
同所 同 池辺マキヱ
同所 同 桜井伊助
同所 同 桜井サキ
同所 同 御手洗秀子
同所 同 清松茂
同所 同 清松キヨ
同所 同 清松武雄
同所 同 清松シズヱ
同所 同 東林
同所 同 東ナガヱ
同所 同 桜井きくゑ
同所 同 柴田滝男
同所 同 柴田ナラヱ
同所 同 山田トメ
同所 同 野上正
同所 同 野上静子
同所 同 池永久米蔵
同所 同 川上ヒデ
同所 同 川上好生
同所 同 服部トヨ
同所 同 小島タミヱ
同所 同 山内寿雄
同所 同 山内カヨ
同所 同 足立生馬
同所 同 渕野チトセ
同所 同 池永松夫
同所 同 三崎定人
同所 同 安達長平
同所 同 安達シオ
同所 同 工藤官治
同所 同 工藤シキ
同所 同 上野百之十
同所 同 上野トヨ
同所 同 小島保男
同所 同 小島キミヱ
同所 同 三崎梅夫
同所 同 山田ミツヱ
同所 同 小島四郎
同所 同 野口伊八
同所 同 桜井政男
同所 同 三浦幸夫
同所 同 三浦サチヨ
同所 同 植木フジヱ
同所 同 三浦御
同所 同 三浦ハナヱ
同所 同 植木斌
同所 同 山村照
同所 同 三浦ナラヱ
同所 同 植木初見
同所 同 岩田一恵
同所 同 三浦七郎
同所 同 桜井マスヱ
同所 同 三浦マツヱ
同所 同 山村マサヱ
同所 同 山村タナヱ
同所 同 熊一ヤスヱ
同所 同 三浦ミヨシ
同所 同 手島トリ
同所 同 池永ハツヱ
同所 同 工藤福太郎
同所 同 工藤今夫
同所 同 工藤三代
同所 同 野上芳馬
同所 同 野上リヨ
同所 同 野上トク
同所 同 柴田チヨ
同所 同 三浦〓
同所 同 三浦フミヱ
同所 同 野上ミサ子
同所 同 三浦次夫
同所 同 竹内三省
同所 同 江藤サカヱ
同所 同 植木励
同所 同 植木ミスヱ
同所 同 植木マチ子
同所 同 三浦ハツ子
同所 同 渡部ゆきゑ
同所 同 渡部かずゑ
同所 同 岩崎千代
同所 同 法華津マツ
同所 同 金子勇
同所 同 望月昇一
同所 同 片田中夫
同所 同 市原トヨ子
同所 同 山上義信
同所 同 牧昭平
同所 同 三浦一郎
同所 同 三浦キクヱ
同所 同 東キチヱ
同所 同 東松一
同所 同 目代フジヱ
同所 同 岡本ヨシ子
同所 同 池本治郎
同所 同 牧八郎
同所 同 牧勝
同所 同 牧タカ
同所 同 宮崎直平
同所 同 三浦忠三郎
同所 同 池辺久雄
同所 同 池辺ツギヱ
同所 同 三浦ワカ
同所 同 三浦瀬之輔
同所 同 三浦マサキ
同所 同 三浦昭三
同所 同 石崎準一
同所 同 石崎スヱコ
同所 同 江口マツヱ
同所 同 江口保
同所 同 菅チヨノ
同所 同 菅敏子
同所 同 江口英雄
同所 同 江口トシ子
同所 同 山口ナミヱ
同所 同 山口チヨノ
同所 同 川上レン
同所 同 川上隆正
同所 同 川上文代
同所 同 堤テイ
同所 同 谷はつゑ
同所 同 菅良一
同所 同 岡本又男
同所 同 井上トラ
同所 同 森直
同所 同 谷まち
同所 同 三浦タツヱ
同所 同 岸田金亀
同所 同 岸田静枝
同所 同 岸田ナツ
同所 同 藤並照哲
同所 同 藤並ツネ
同所 同 三浦誠一
同所 同 三浦キミヱ
同所 同 河井ハルヱ
同所 同 菅ツヤ子
同所 同 植木守
同所 同 三浦サトミ
同所 同 三浦シズヱ
同所 同 河村辰夫
同所 同 河村民子
同所 同 工藤タカヱ
同所 同 後藤トメ
同所 同 野村力
同所 同 鈴木万平
同所 同 岩津道三
同所 同 岩津アキヱ
同所 同 原田シズヱ
同所 同 一法師キヌヱ
同所 同 外山芳〓
同所 同 工藤義夫
同所 同 牧喜太郎
同所 同 牧ミサキ
同所 同 岩津チヱ
同所 同 河村トシヱ
同所 同 山村イワ
同所 同 山村リモ
同所 同 長野静子
同所 同 大塚ツヤ子
同所 同 大塚丈平
同所 同 藤貫登
同所 同 木本厚雄
同所 同 木本ハツヱ
同所 同 工藤佐之助
同所 同 工藤猛
同所 同 工藤フジヱ
同所 同 三浦伊平
同所 同 三浦夏子
同所 同 岩津洋一郎
同所 同 長野真澄
同所 同 〓口良輔
同所 同 鈴木伴蔵
同所 同 工藤茂
同所 同 房本正市
同所 同 若杉平治
同所 同 若杉徳一
同所 同 後藤佐也
同所 同 橋本ユキ子
同所 同 工藤マサエ
同所 同 工藤ヨシ
同所 同 若杉上夫
同所 同 若杉ハナ
同所 同 若杉重子
同所 同 若杉東
同所 同 下田茂子
同所 同 池永茂
同所 同 尾崎猛
同所 同 尾崎マサエ
同所 同 加藤惣六
同所 同 加藤ミチ
同所 同 加藤アサエ
同所 同 村瀬喜代重
同所 同 池永ミツヱ
同所 同 池永ミヱ
同所 同 岩崎嘉三
同所 同 高橋直
同所 同 宮本寅生
同所 同 幸信一
同所 同 疋田功
同所 同 川上マサ子
同所 同 川上松雄
同所 同 疋田忠一
同所 同 塩月孫六
同所 同 荒木又雄
同所 同 幸マキヱ
同所 同 疋田フミヱ
同所 同 川上茂
同所 同 荒木きぬゑ
同所 同 三浦昇平
同所 同 三浦修
同所 同 山村静馬
同所 同 池田亘
同所 同 池田トシ
同所 同 幸キヌ
同所 同 三浦宇市
同所 同 三浦安吉
同所 同 工藤実
同所 同 加藤健助
同所 同 加藤ナミヱ
同所 同 甲斐トヨ子
同所 同 牧勝美
同所 同 村瀬糺
同所 同 幸勝喜
同所 同 池永昇
同所 同 塩月寿一
同所 同 岩崎寅記
同所 同 中西チヱ
同所 同 岩崎セイ
同所 同 若杉トクヱ
同所 同 岩崎初子
同所 同 岩崎藤江
同所 同 岩崎静雄
同所 同 岩崎八郎
同所 同 益田ヱン
同所 同 後藤仁市
同所 同 外山正行
同所 同 外山浮平
同所 同 岩崎儀八
同所 同 岩崎政次
同所 同 岩崎シモ
同所 同 永井スミヱ
同所 同 永井鈴馬
同所 同 岩崎松市
同所 同 岩崎スギヱ
同所 同 岩崎ハツ子
同所 同 若杉要
同所 同 岩崎一男
同所 同 岩崎ミツヱ
同所 同 岩崎彰
同所 同 岩崎滝男
同所 同 岩崎なか
同所 同 岩崎真
同所 同 岩崎リヱ
同所 同 木田シズ
同所 同 岩崎コマ
同所 同 外山六蔵
同所 同 滝田ナツヱ
同所 同 滝田実
同所 同 岩崎都
同所 同 岩崎セツ
同所 同 川上盛喜
同所 同 川上正八
同所 同 外山キミヱ
同所 同 外山作平
同所 同 岩崎フサヱ
同所 同 後藤佐源太
同所 同 後藤ユミ
同所 同 岩崎チヨ
同所 同 外山ハツヱ
同所 同 外山五郎一
同所 同 岩崎楽太郎
同所 同 岩崎将夫
同所 同 岩崎市郎
同所 同 岩崎語
同所 同 岩崎梅太郎
同所 同 岩崎昇
同所 同 宇治田金之助
同所 同 木村次郎
同所 同 山口時太郎
同所 同 木村信行
同所 同 外山ハル
同所 同 宇治田義人
同所 同 神矢持
同所 同 神矢友子
同所 同 木村満
同所 同 岩崎直造
同所 同 石口益右エ門
同所 同 岩崎荒男
同所 同 石口岩夫
同所 同 山口福美
同所 同 木村楠生
同所 同 宇治田喜一郎
同所 同 石口ヨネ
同所 同 岩崎ミサヲ
同所 同 上杉玉貴
同所 同 甲斐九季太郎
同所 同 一ノ瀬喜代次
同所 同 神矢昇
同所 同 岩崎到
同所 同 高杉実右エ門
同所 同 三崎宗雄
同所 同 外山清
同所 同 阿部金一郎
同所 同 岩崎藤平
同所 同 後藤末〓
同所 同 川上篤
同所 同 森崎太三郎
同所 同 川上増夫
同所 同 菅佐吉
同所 同 森崎喜代松
同所 同 古野俊一
同所 同 平〓熊治
同所 同 児玉則夫
同所 同 森崎一
同所 同 坂本要次郎
同所 同 岩崎ミカ
同所 同 川上勝
同所 同 岩崎殼太郎
同所 同 木田寛一
同所 同 岩崎晃
同所 同 岩崎恵
同所 同 高橋エミ子
同所 同 幸キク
同所 同 疋田半次郎
同所 同 池永ハツ
同所 同 川上久雄
大分県大分郡鶴崎町大字海原 同 若杉時春
同所 同 若杉義雄
同所 同 若杉富美子
同所 同 渕野馬
同所 同 渕野千代子
同所 同 若杉充
同所 同 若杉丑太郎
同所 同 若杉ハツメ
同所 同 若杉島夫
同所 同 若杉リヨウ
同所 同 若杉数美
同所 同 若杉ユリ
同所 同 若杉休治郎
同所 同 若杉今子
同所 同 若杉義人
同所 同 若杉玉喜
同所 同 若杉御代子
同所 同 竹内逸平
同所 同 竹内四郎
同所 同 寺田邦〓
同所 同 寺田恵美
同所 同 竹内〓六
同所 同 竹内義美
同所 同 竹内ヒトヱ
同所 同 竹内和子
同所 同 若杉浜夫
同所 同 若杉モモヱ
同所 同 若杉文子
同所 同 加藤馨
同所 同 三浦笹市
同所 同 若杉格平
同所 同 若杉武平
同所 同 若杉シマ子
同所 同 工藤寛平
同所 同 若杉歌子
同所 同 三浦嶋男
同所 同 三浦寿六
同所 同 三浦ヨシ
同所 同 三浦綱夫
同所 同 三浦トクヱ
同所 同 三浦順一
同所 同 三浦善七
同所 同 三浦三千子
同所 同 三浦ぶん
同所 同 安部市平
同所 同 三浦要平
同所 同 三浦庄平
同所 同 三浦ヒデ子
同所 同 三浦福代
同所 同 河村豊
同所 同 河村ワリ
同所 同 河村長恵
同所 同 並河イヱ
同所 同 並河フミ子
同所 同 三浦正義
同所 同 三浦久恵
同所 同 大平安雄
同所 同 大平カズヱ
同所 同 三浦カガ
同所 同 河村重信
同所 同 三浦要
同所 同 安部トワ
同所 同 安部寛六
同所 同 三浦勇吉
同所 同 三浦マサヱ
同所 同 三浦次男
同所 同 三浦リヨ
同所 同 三浦トシ子
同所 同 三浦サツキ
同所 同 三浦政市
同所 同 三浦キヨ子
同所 同 阿部森太郎
同所 同 阿部フヤ
同所 同 阿部サメ
同所 同 佐藤チズ
同所 同 佐藤弘
同所 同 三浦二六
同所 同 三浦浩
同所 同 池永安子
同所 同 後藤治郎
同所 同 後藤キヌヱ
同所 同 若杉高夫
同所 同 後藤唯雄
同所 同 三浦春一
同所 同 河村勲
同所 同 河村健兵
同所 同 後藤重太郎
同所 同 三浦秋男
同所 同 岡村カナヱ
同所 同 後藤マサ子
同所 同 三浦テル
同所 同 河村マスヱ
同所 同 桜井ラク
同所 同 惟住ワキ
同所 同 三浦正枝
同所 同 後藤光子
同所 同 河村元一
同所 同 甲斐光男
同所 同 後藤ハル
同所 同 後藤ハツヱ
同所 同 桜井ヒサヱ
同所 同 桜井市郎
同所 同 三浦安次郎
同所 同 岡村菊夫
同所 同 三浦伝吉
同所 同 三浦満
同所 同 後藤良雄
同所 同 三浦竹馬
同所 同 三浦サム
同所 同 三浦ミチ子
同所 同 三浦ヤスヱ
同所 同 若杉スガ
同所 同 河村ハル
同所 同 河村太郎
同所 同 河村貞四郎
同所 同 河村藤吉
同所 同 河村明良
同所 同 河村直
同所 同 河村安馬
同所 同 河村良平
同所 同 河村勝平
同所 同 桜井キクヱ
同所 同 河村ユキ江
同所 同 堀内きく
同所 同 河村万亀生
同所 同 河村針馬
同所 同 三浦末善
同所 同 河村シミヱ
同所 同 久枝密子
同所 同 河村キヨ
同所 同 河村大九郎
同所 同 河村
同所 同 河村ヒデ
同所 同 河村数夫
同所 同 河村チヨ
同所 同 河村久男
同所 同 河村和子
同所 同 河村ユキ
同所 同 河村トキヱ
同所 同 河村姫子
同所 同 河村茂
同所 同 河村フデ
同所 同 河村美佐恵
同所 同 三浦彌
同所 同 三浦都
同所 同 三浦節生
同所 同 三浦信子
同所 同 河野省三
同所 同 河野美根
同所 同 三浦ツヤ子
同所 同 三浦菊夫
同所 同 竹内ナガヱ
同所 同 三浦フク
同所 同 三浦トシ子
同所 同 若杉智子
同所 同 三浦ナツヱ
同所 同 佐藤ユキ
同所 同 三浦要
同所 同 佐藤七郎
同所 同 三浦ヒサ
同所 同 三浦五郎
同所 同 三浦八日生
同所 同 三浦友喜
同所 同 三浦義近
同所 同 三浦カズ
同所 同 三浦芳子
同所 同 三浦幸雄
同所 同 三浦重子
同所 同 三浦宇之助
同所 同 菅教馬
同所 同 三浦豊
同所 同 竹内末吉
同所 同 三浦ミスヱ
同所 同 工藤久馬
同所 同 三浦タマキ
同所 同 三浦頼雄
同所 同 三浦フクヱ
同所 同 三浦朝子
同所 同 三浦武夫
同所 同 若杉三郎
同所 同 工藤カズヱ
同所 同 工藤ハトヱ
同所 同 三浦敬信
同所 同 三浦力夫
同所 同 三浦輝馬
同所 同 三浦順一
同所 同 三浦孝一
同所 同 三浦至
同所 同 三浦作太郎
同所 同 三浦繁夫
同所 同 三浦彌六
同所 同 三浦虎〓
同所 同 竹内キクヱ
同所 同 三浦スミ子
同所 同 三浦三郎
同所 同 江藤東洋夫
同所 同 三浦源次郎
同所 同 江藤文子
同所 同 三浦サツキ
同所 同 三浦ミユキ
同所 同 三浦アサノ
同所 同 三浦登
同所 同 三浦信二
同所 同 三浦万七
同所 同 三浦幸子
同所 同 江口位
同所 同 江口チヤ
同所 同 宮崎カヲリ
同所 同 河村マツヱ
同所 同 柴家哲夫
同所 同 安東ハル
同所 同 安東登
同所 同 柴家栄
同所 同 宮崎力人
同所 同 田仲円平
同所 同 河村常雄
同所 同 江口昌子
同所 同 田仲ユリヱ
同所 同 桜井シズヱ
同所 同 田仲一男
同所 同 後藤昇
同所 同 竹内喜久雄
同所 同 竹内義雄
同所 同 竹内タカ
同所 同 三浦熙
同所 同 新志カチ
同所 同 新志万吉
同所 同 新志直栄
同所 同 新志イシ
同所 同 後藤アキヱ
同所 同 小田トメ
同所 同 幸野マツヱ
同所 同 三浦ノブ
同所 同 三浦ジウ
同所 同 薬師寺虎〓
同所 同 飯田高光
同所 同 三浦秀子
同所 同 竹内三郎
同所 同 三浦徳之助
同所 同 石田光子
同所 同 石田サキ
同所 同 後藤範男
同所 同 江藤良雄
同所 同 石田玉明
同所 同 石田義直
同所 同 小田大吉
同所 同 竹内トクヱ
大分県大分郡鶴崎町大字家島 同 幸六郎
同所 同 三浦亀鶴
同所 同 幸一男
同所 同 江藤想九郎
同所 同 房崎庄太郎
同所 同 阿部五郎
同所 同 姫野サイ
同所 同 佐々木正見
同所 同 河野等
同所 同 円城寺常作
同所 同 阿部一男
同所 同 幸宗一
同所 同 門脇角平
同所 同 高橋シズ子
同所 同 吉浪ヨシヱ
同所 同 阿部秀登
同所 同 円城寺トヨ
同所 同 白石貫一
同所 同 白石清子
同所 同 平松新六
同所 同 阿部藤四郎
同所 同 幸猛
同所 同 幸久男
同所 同 幸儀八
同所 同 幸万助
同所 同 加藤米市
同所 同 阿部伊喜太郎
同所 同 幸正人
同所 同 江藤森〓
同所 同 高橋サツキ
同所 同 房崎スミヱ
同所 同 高橋隆利
同所 同 阿部鈴美
同所 同 高橋武男
同所 同 江藤円平
同所 同 房崎三之助
同所 同 房崎勇吉
同所 同 房崎諫男
同所 同 野上来
同所 同 佐々木マサ
同所 同 佐々木重蔵
同所 同 佐々木輝平
同所 同 佐々木今平
同所 同 佐々木代五郎
同所 同 宮崎ヒロ
同所 同 野上勝人
同所 同 高橋高尾
同所 同 野上実
同所 同 幸藤四郎
同所 同 阿郎早登
同所 同 幸利男
同所 同 幸モモヱ
同所 同 江藤千満多
同所 同 幸カタ
同所 同 江藤松平
同所 同 芹沢喜平
同所 同 芹沢カズ
同所 同 阿部茂夫
同所 同 芹沢三津喜
同所 同 野上満良
同所 同 野上晴子
同所 同 高橋フジヱ
同所 同 平松年雄
同所 同 門脇折平
同所 同 徳丸タマキ
同所 同 平松スミヱ
同所 同 幸泉
同所 同 平松勝茂
同所 同 安部ハマノ
同所 同 幸トミ
同所 同 幸トク
同所 同 高橋進一
同所 同 幸カツヱ
同所 同 幸金平
同所 同 門脇七郎
同所 同 吉浪三通男
同所 同 阿部幾太郎
同所 同 安部捨松
同所 同 安部春一
同所 同 幸伊五郎
同所 同 高橋ならゑ
同所 同 阿部伊佐夫
同所 同 阿部幸太郎
同所 同 安部藤作
同所 同 阿部鱶七
同所 同 徳丸柳
同所 同 幸ワン
同所 同 房崎ツセ
同所 同 幸慶治郎
同所 同 佐々木ナツ
同所 同 佐々木末男
同所 同 阿部キクヱ
同所 同 幸種次郎
同所 同 藤原福三
同所 同 藤原富美恵
同所 同 西山宇一
昭和二五年（オ）第二〇五号
上告人 八坂秀人
外八四一名
被上告人 大分県議会
上告代理人弁護士小玉治行の上告理由
原裁判所は上告人（控訴人）の本訴請求を排斥するに当り原判決書（第一審裁判の判決書）に示された摘示理由を引用している。依て上告人は第一審裁判所の判決書を引用せる原判決は次の諸点において失当であるから破毀すべきものと信ずる。
第一点 原判決は昭和二十四年三月二十九日被上告人たる大分県議会において大分県大分郡鶴崎町から同町三佐地区が分離することを否決した本件議決は、いわゆる行政庁の処分と謂うことができないから、これを違法としてその取消を求める訴を提起することは許されないと判示している。しかし地方自治法第百七十六条において、知事に県議会の違法な議決を打破する為に訴を提起し得る途を開いていることからみても県議会の議決をそれ自体独立した行政処分と解しなければならない。原判決は県議会の本件議決は知事が問題になつている市町村の廃置分合又は境界変更の処分をする前提手続としてその可否につき上級地方団体としての県の意思を決定するに止まるものと解すべきであるから、被告のした本件議決は謂はば知事と議会という行政機関相互間で、一の機関から他の機関に対してなされる意思表示に過ぎないのであつて、旧三佐村の分離についての原告等住民の権利関係に直接影響を及ぼす行為でないから、これを行政庁の処分と解することはできないと説示しているけれども、これは本末を顛倒した見解である。上告人が第一審において主張しているように、本件議会の議決こそ行政処分であつて、この議決によつて本件鶴崎町から三佐村が分離できるか否かの法律効果はすでに発生するのであつて、知事の問題になつている市町村の廃置分合又は境界変更の告示はこの法律効果の発生したことを公示する事後処置であつて行政処分と解すべきものではない。すなわち、本件議会の議決によつて鶴崎町から旧三佐村が分難することができないことは知事の告示をまたずして既に法律上確定しているのであつて知事はこの法律上確定した事実を単に公示するに過ぎないのである。旧三佐村の分離についての上告人等住民は本件議会の議決がある限り知事の右告示をまつまでもなく法律上その目的を達成し得ないことが確定するのであつて茲に上告人等住民の旧三佐村分離についての権利に直接の影響を及ぼすことになるのである。地方議会の議決が行政処分であり行政訴訟の対象となることができることについてはすでに東京高等裁判所の示すところである。（最高裁判所事務総局行政局発行昭和二十四年四月行政裁判月報第十三号九六頁乃至一〇一頁御参照）。従つて原判決は行政処分の意義に関し法律の解釈を誤つた違法があり破毀すべきである。
第二点 原判決は仮に本件議決が行政処分であるとしてもその取消を求める本訴は訴の利益を欠ぎ不適法である。被告は県知事が旧三佐村の分離につき処分をする前提手続としてその可否につき議決をするに止るのであつて本件議決は謂はば行政機関相互間になされる意見表示たるに過ぎないのであるから被告が旧三佐村の分離を否とする本件議決をしたからといつてこれが為に直に原告等が同村の住民として右分離の処分を請求し得る権利を毀損せられたとはいへないと説示しているのであるが論旨第一点において論じたように、本件議決が行政処分である場合は知事の為す右分離についての終局手続たる告示は本件議決によつて発生した法律効果を公示するに過ぎないのであつて、町村分離についての住民は県議会の否決があれば知事の終局的処置をまつまでもなくその分離の目的は達成し得られないことが確定するのであるから茲に町村分離についての権利は直接に毀損せらるる結果となるのであるから訴訟によつてその取消を求める利益があるのである。原判決は原告等が大分県知事を相手として旧三佐村の不分離の取消を請求するなら格別、被告を相手取り本件議決の取消を求める訴を提起することは特にそのような出訴を認めた規定のない以上訴の利益を欠くもので不適法な訴であるといつているのであるが、仮に知事の旧三佐村不分離についての終局処置が行政処分であるとしてこれを取消しても、その根源において旧三佐村分離を否決した本件議会の議決がある限り知事においてはこれと異つた処置を取ることは法律上なし得ないのである。従て知事は右分離につき終局処分を為す権限を有するものではない。知事は県議会の議決の結果を公示しなければならない法律上の義務を負担するのみであつて町村分離についてはいささかの権能をも有しないのである。すなわち、町村分離については知事は昭和二十三年法律第百七十九号地方自治法附則第二条の規定に則り町村の選挙管理委員会から町村分離についての報告があつたときはこの案件を県議会に上程する手続をしなければならないのであるが、これは知事の発案権に基くものではなく知事は法律上の義務としてかかる手続をしなければならないのであつてそこに何等の権能すら認められないのである。これと同様に知事のなす町村分離についての終局処置（告示）なるものは知事の権能に基くものではなく法律上の義務としての行為に過ぎないのであつて知事に行動の自由はない。自由裁量を原則とする行政処分にあつて自由裁量の余地なきものは本来行政処分と目すべきものではない。原判決は知事の分離並に不分離の決定は行政処分たる性質を有するとしているがこれは以上の理を弁じない謬見である。知事に分離並に不分離を決定する権能は絶対にない。このことは右地方自治法附則第二条を通読すれば容易に理解し得らるるところである。従つて原判決は訴権に関する法律の解釈を誤つた違法があり破毀すべきである。
第三点 原判決は被告に対し本件三佐地区の分離事件につき再議を命ずる判決を求めることは本来許さるべきでないし、行政事件訴訟特例法第六条にいわゆる関連請求としてもこのような訴は許されないとしている。しかしながら、本件におけるが如く、細田大分県知事は、県議会において明に本県町村分離に反対の意思を表明しむしろ町村分離を妨害している実情にある場合においては、仮に判決において本件議会の議決が違法として取消されたとしても知事は地方自治法第百七十六条に則り本件を再議に付することは事実においても到底之を期待し得られないところである。しかのみならず本件においては知事に発案権がないのであるから知事は再議に付することもできないのである。これは県議会において知事の発案をまたず再議すべき案件である。かかる客観的事実が立証せられたる本件においては裁判所において当該行政庁に対し改めてその行政処分をなすべきことを命ずる判決をなすことは司法権が不当に行政権を侵すものと解すべきではなく行政事件訴訟特例法第六条にいわゆる関連請求として許容せらるべきものである。従つて原判決は行政事件特例法第六条の解釈を誤りたる違法があり破毀せらるべきである。
以上